米国は依然、インターネット広告市場の規模が世界で最も大きい国。その同国で、市場を独占しているのは、検索最大手の米グーグルと、ソーシャルメディア最大手の米フェイスブックだ。
しかし、米市場調査会社eマーケターの最新レポートによると、今、この市場では、米アマゾン・ドットコムなどの下位にいる企業が、広告収入を増やしており、上位2社のシェアを奪いつつあるという。
グーグルとFBのシェアが初めて低下
eマーケターが推計する、今年(2018年)における、グーグルとフェイスブックを合わせた金額ベースの市場シェアは56.8%。両社の合計シェアは昨年の58.5%から低下し、初めて前年の数値を下回ると、eマーケターは見ている。
これを詳しく見ると、グーグルのシェアは37.2%となり、昨年の38.6%から若干低下する見通し。フェイスブックのシェアは19.6%で、こちらも昨年の19.9%から若干低下するという。
eマーケターによると、グーグルのシェアは、2年ぶりに低下する。フェイスブックのシェアは、eマーケターが調査を開始して以来、初めて前年のそれを下回る(ウォールストリート・ジャーナルの記事)。
eマーケターが推計する、グーグルの今年の米国インターネット広告収入は、前年比14.5%増の399億2000万ドル(約4兆2400億円)。また、フェイスブックは、同16.9%増の210億ドル(約2兆2300億円)。
こうして両社のネット広告収入は、今年も伸び続ける。しかし、この市場は今年、前年比19%増の1070億ドル(11兆3800億円)規模に達し、グーグルとフェイスブックの伸び率を上回る。ゆえに、この2社のシェアは低下する、というのがeマーケターの予測だ。