米アップルは3月12日、雑誌の定額制読み放題アプリを手がける米ネクスト・イシュー・メディアという企業を買収すると発表した。
同社が企業買収について明かすことはあまりなく、こうして発表資料も出して、買収の事実を明らかにするのは、珍しいことだ。
大手出版社の合弁事業
買収したネクスト・イシュー・メディアは、「テクスチャー(Texture)」という、アプリを手がけている。
このアプリは、アップルやグーグルのアプリ配信サービスで無料配信されており、月額9.99ドルを支払えば、「タイム」や「ピープル」「フォーブス」「ニューズウィーク」「ニューヨーカー」「ナショナルジオグラフィック」「ヴォーグ」など200以上の雑誌が読み放題になる。
興味深いのは、このネクスト・イシュー・メディアが、メレディスやハースト、ニューズ・コーポレーション、コンデナストといった大手出版社の合弁事業であることだ。
ウォールストリート・ジャーナルによると、その設立目的は、アップルやグーグル、フェイスブックといった巨大テクノロジー企業に対抗すること。
インターネット広告の市場では、グーグルとフェイスブックの合計シェアが、全体の6割を占めている。モバイルアプリの分野では、グーグルの「Google Play」とアップルの「App Store」が世界の2大サービスとなっており、両社がこの市場を支配している。
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