日中合同で成人式、交流を深める 北京

日中合同で成人式、交流を深める~北京。会場にはチャイナドレスを着た日本人留学生も(2018年1月13日撮影)。(c)CNS/侯宇〔AFPBB News

1.欧米諸国の内政不安定化

 2017年という年は、グローバル社会の多極化時代の到来とその変化の加速を実感する1年だった。それを象徴的に示したのは欧米主要国と日中両国の国内政治情勢の対照的な様相だ。

 米国では長期にわたって経済発展の恩恵を得ることができていないことに不満を募らせる一般庶民が、エスタブリッシュメント層に対する反発を強めるなか、庶民の支持を受けたドナルド・トランプ政権が誕生した。

 しかし、トランプ政権が国内で取り組んだ社会保障改革や税制改革などはその支持者層に対して不利益になるような内容だった。外交面では世界のリーダーになろうと考えない米国最初の大統領として、パリ協定や米国が主導したTPPからも離脱した。

 挙句の果てにエルサレムを首都と認定した米国の決定に対して、それを無効とする国連決議まで採択される事態に至った。

 これまで世界秩序形成においてリーダーシップを発揮してきた米国がこのような行動を採ったことに世界中が驚き、呆れた。

 米国のみならず、欧州では難民問題の深刻化などを背景に英国のEU離脱が進行しつつある。

 ドイツではアンゲラ・メルケル首相の率いる政党が総選挙において1949年以来最悪の結果に直面し、過半数の安定政権を維持するための連立協議も未成立の状態が続き、政局が不安定化している。

 これはEUの存続そのものにダメージを与える可能性が懸念される事態である。

 このように欧米主要国では経済社会状況に対する国民の不満が噴出し、内政が不安定化している。その影響が外交にも及びつつあり、世界秩序形成のリーダーとしての地位の相対的低下が加速している。