「独身の日」セールで運送会社てんてこ舞い 中国

中国・北京で「独身の日」の前日に商品の仕分けをする運送会社の従業員(2017年11月10日撮影)。(c)AFP/Fred DUFOUR〔AFPBB News

1.米国企業の見方はネガティブに

 昨年9月にワシントンDCを訪問した時、数人の中国専門家の友人から同じような話を聞いた。それは、最近、中国市場に対する米国企業の見方が以前に比べてネガティブ(慎重、消極的)になってきているという話だった。

 その翌月、北京・上海・広州に出張すると、それとは逆に、日本企業は中国ビジネスの業績好転を背景に、それまで数年間続いていた対中投資に対する慎重姿勢を修正して積極化に転じる動きが少しずつ広がり始めているという話を耳にした。

 米国企業はネガティブへ、日本企業はポジティブへと中国ビジネスに対する見方が逆方向に向かっていたのである。

 日米の企業の間でどうしてこんな違いが生じているのか、理由が分からなかった。

 米国の友人たちによれば、米国企業に関するこうした見方は、上海米国商会の幹部が昨年9月にワシントンDCやニューヨークを訪問し、講演の中で伝えたものだった。

 上海米国商会は、中国現地で直接生情報と接しているだけに米国企業の中国ビジネスの実態をよく理解していると評価されている組織である。

 中国専門家の間では、米国における反中感情を背景に中国悲観論を強調する米国内の一般的論調とは一線を画していることで知られている。その組織の幹部の発言だけに米国の多くの中国専門家の間で評判になり、私の友人たちが私に伝えてくれたのだった。

 米国企業がどうしてそのような見方をするようになったのか、その理由を聞いてみると、次の3つの要因が指摘された。

 第1に、知的財産権の侵害、第2に、中国政府の突然の政策変更によるビジネスへのダメージ、第3に、資金回収難である。