でも、「どうありたいか?」「何をやりたいか?」「どんな仕事をしたいのか」などが自分の中ではっきりしていない場合もあると思います。

 そんな時は、「自分の人生のミッションは何だろう?」と考えてみることをお勧めします。ミッションとは、「夢」や「目標」といったものとはちょっと異なる、いわゆる「生まれてきた意味」と言ってもいいかもしれません。

「人生にミッションなんてない。生物として生まれてきたこと自体に意味があり、生き続けることに意味があるのだ」という考え方もあります。確かにそれも真理だと思います。私自身もそうだと思っていた時期があります。でも、やっぱり、それ以上の意味を求めたくなるんですよね。

あなたを待っている「誰か」のために生きる

 そんなふうに悶々としていた時に、オーストリアの精神科医、ヴィクトール・E・フランクルの名著『夜と霧』を分かりやすく解説している本に出合いました(『夜と霧』はフランクルがナチス強制収容所での体験を基に書いた本です)。そして、その中に書いてあることに深く感銘を受けたのです(恥ずかしながら『夜と霧』自体からは読み取れなかったのですが)。

 その解説書にはこういうことが書かれていました。

 <フランクルは、「自分の幸福」を追い求める「自己中心の生き方」から、「人生の呼びかけ」に応えていく「意味と使命中心の生き方」へと、生き方を転換することを求めました。幸福も自己実現も、その結果、おのずと生じてくるものだと考えたのです。>

 それを読んで、私はこういうことだと理解しました。