(文中敬称略)
「緑のジャンヌダルク」がいつしか「緑のタヌキ」に変貌し、自滅してしまった――。
「今度の選挙は政権選択選挙」と自ら宣言し、日本初の女性首相誕生かと内外で期待されながら、あの「排除発言」で大失速。
政治家として、自身の東京の地盤も失うという大敗を喫し、怒り狂った都民によるリコール騒ぎも起こっている希望の党代表、東京都知事の小池百合子。
選挙後、「党を立ち上げた責任がある」と、代表続投を明言したものの、党内には小池への不満がくすぶっており、前途多難な船出となった。
「排除します」の大失言
選挙敗退の最大の原因は、記者の質問(排除しますか?)にオウム返しし、「排除します」と言ってしまった失言だったと世間では言われているが、果たしてそうだろうか。
最大の原因は、首相の安倍晋三を「権力の枢軸」と批判しておきながら、女性という弱者のイメージで売っておいて、一転して、「権力者」として自ら化けの皮を剥がし、政治家としても、一人の人間としても、有権者の厚い「信頼を失ったこと」だ。
そのきっかけはいくつかある。一番に、衆院選不出馬だ。
小池は初めから、衆院選に出馬するつもりはなかったと言われているが、それも果たしてそうだろうか。
実は、小池は「11月19日での都知事選の公示などに関して、確認を受けていた」(都庁幹部)という動きもあったようで、本人としては、最後まで衆院選出馬を念頭に入れていた節がある。
断念したのは、海外のメディアから揶揄されてきたポピュリストゆえに、世論調査に敏感に反応したためだ。