米先住民の神聖な面が競売に、ナバホ代表団が阻止めざし渡仏

仏パリ(Paris)で競売を前に公開された、北米先住民プエブロ(Pueblo)が信仰する精霊カチナの面(2014年12月14日撮影)。(c)AFP/THOMAS SAMSON〔AFPBB News

 世界を変えた同時多発テロ事件から16年。ドナルド・トランプ米大統領は、就任後初の9月11日を迎えた。

 国防総省で行われた追悼式典では、「我々の国を攻撃するための安全な場所(Safe Haven)を得ることは二度とできない」と、テロとの戦い(War on Terror)への決意を述べた。

 しかし、その後も、北朝鮮の暴走は続き、ロンドンでは新たなるテロ。平和への願いの声もむなしい・・・。

 英国のドキュメンタリー作家ジェレミー・ギレーは、暴力を目にするたび、無力な自分に苛立っていた。そして、平和についての映画を撮ることを決意。

 9月第3火曜日となっていた国連の平和の日が全く知られていないことから、その日を決まった日付へと変えることを働きかける自身の様子を映像に収め始めた。

9月21日はピースデーに

 無意味との声は大きかった。活動資金の問題もあった。しかし、ダライ・ラマとも面会した世界をめぐる活動は成果を上げた。

 世界が1つとなる出発点として、1年に1日だけ、世界中が戦争をやめよう、と、平和のことを考える日「International day of peace(通称「ピースデー」)を9月21日と定める採択が国連総会でなされたのである。

 その決定は、4日後、コフィ・アナン国連事務総長から発表されるはずだった。しかし、その日、2001年9月11日、国連本部からほど近い地で、同時多発テロが起きてしまう。

 そして翌月、アフガニスタン攻撃が始まり、「War on Terror」の時代となってしまったのである。

 それでも、いや、それだからこそ、平和のため、自分がやれることをやろうというギレーの姿を、ドキュメンタリー映画『ザ・デイ・アフター・ピース』(2008/日本劇場未公開)は映し続ける。

 活動が認められるためのカギは、イベントを開催するだけではだめだ。実際に戦闘地帯を停戦にすることができれば、と思っても、簡単にできるはずもない。

 そんな時知ったのが、ユニセフがアフガニスタンで取り組むポリオ撲滅。医療チームが行くのが危険な地域でも子供たちは苦しんでいる。そうした場所での予防接種も、1日停戦できると確約できたら、実現できるかもしれない。