米グーグルとその傘下の動画共有サービス、ユーチューブ(YouTube)は、テロ関連コンテンツの撲滅に向けた取り組みを本格化させているようだ。
それが、どの程度の効果があるのかは定かではないのだが、これまでのところ一定の成果が出たと同社は説明している。
反テロ動画で組織への参加を阻止
グーグルは今年6月、親会社アルファベット傘下のシンクタンクであるジグソー(Jigsaw)が考案した「Redirect Method」と呼ぶ対策を、欧州の広範な地域に導入すると発表していた。
これは、ターゲット型広告の技術を用いて、過激派組織IS(イスラミックステート)に共鳴する利用者を把握し、そうした利用者にISへの参加を思いとどまらせるよう、反テロリズム動画に誘導するというもの。
今後はこの対策を強化し、ユーチューブ上で、そうした利用者が過激派関連のコンテンツを検索した場合にも、反テロリズム動画に誘導する。この仕組みを万全なものにするため、英語以外のさまざまな言語の検索キーワードを用意し、機械学習技術を使って検索キーワードを動的にアップデートできるようにする。さらにこの問題に詳しいNGO(非政府組織)の協力を得て、テロリズムに対抗するメッセージを発信する動画を制作するという。
大手企業が広告引き上げ
グーグルとユーチューブが、こうしてテロ関連コンテンツへの対策に着手したのは、今年3月に起きた大手企業の広告引き上げ問題がきっかけだった。