テレワークは長時間労働を招くのか?
今回の本題、「テレワークは長時間労働を招くのか?」。検証してみよう。
テレワーク実施者を、制度適用者と非適用者に分けて、テレワークをしていない人との労働時間(1週間あたり)を比較してみた(図表3)。制度適用者と、テレワークをしていない人(0時間)とを比べると、男女ともに、労働時間の平均も分布も大きく変わらないことが分かる。つまり、制度適用によるテレワークでは、長時間労働を招くという事実は確認できなかった。
一方で、制度が適用されていないのにテレワークを行っている人は、制度適用者と比べても、テレワークをしていない人と比べても、労働時間が長く、持ち帰り残業が含まれている実態が表れていると言える。
図表3:1週間あたりの労働時間の分布(%)。右端は1週間あたりの労働時間の平均値(時間)。
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テレワークは男性の育児家事時間を32.1分増やす
同じ分け方で、働いていた日の1日の育児家事時間も比較してみよう。テレワークは子育てと仕事を両立しうる手段になると期待されているが、実際に育児家事時間が増えるのか?
私たちの調査結果では、テレワークをしている人は、していない人に比べて、育児家事時間が長い傾向があると分かった。特に、男性で比較すると、制度適用によるテレワーク実施者は、テレワークをしていない人に比べて、32.1分も平均の家事育児時間が長い。
図表4:働いていた平均的な1日の育児家事時間の分布(%)。右端は平均値(分)。
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