2月27日~3月1日、東京・汐留のコンラッド東京で開催された「ILTM(International Luxury Travel Market) Japan 2017」に参加してきた。ILTMは富裕層向け旅行業界の世界有数の商談会だ。
多くの出展者やバイヤーが参加する中、ランチスポンサーとして「東京観光財団」(TCVB)、夜のパーティースポンサーとして「日本政府観光局」(JNTO)が名を連ねていたことが強く印象に残っている。
TCVBやJNTOのようないわゆるツーリズム・ボード(観光に関与する公的組織や財団、自治体など)がこのようにスポンサーとして商談会などのイベントに参加することは、海外では決して珍しいことではない。だが、日本には地域観光局や観光協会あるいは自治体の観光課などが数多くある一方、パーティースポンサーやランチスポンサーといった、海外のイベンターがよく創出するようなスポンサーシップの形態をうまく使えていないと感じることがある(そのような「乗っかり方」を単純に知らない可能性もあるが)。
今回はこのあたりからアジア富裕層マーケティングの捉え方について考えてみたい。
旅行アドバイザーを押えよ
日本ではスポンサーシップというと、「こういうターゲットを狙ってこのような広告をこのようなメディアを使って展開する」というようにメディアプランになりがちだ。