鹿児島に寄港した大型クルーズ船「コスタ・セレーナ号」

 水平線の彼方に白い船が姿を現した。船影が大きくなるにつれ、次第に輪郭がくっきりと形づくられていく。中国・上海を出発して博多、鹿児島などをめぐるクルーズ船「コスタ・セレーナ号」である。

 船が着岸するのは、鹿児島市の大型観光船埠頭「マリンポートかごしま」だ。着岸が1時間後に迫ったマリンポートかごしまには、子ども連れの家族や高齢者が集まり始めていた。近づいてくるクルーズ船に向かってオレンジ色の旗を振っている。彼らは「おもてなし隊」の会員で、登録を行うとこのオレンジ色の旗を渡される。高齢の女性は、「出迎えるのはこれで15回目」と言う。

 13時の着岸が近くなるにつれ、周囲は慌ただしくなった。次から次へと観光バスが押し寄せて来る。整列して乗客を待つ大量の観光バスの姿は圧巻だ。80台は下らないだろう。

埠頭に集結するガイドの正体は?

 埠頭に集まったのは観光バスだけではない。中国人の通訳ガイドも集まり始めていた。

下船する乗客を待ち構える大勢の通訳ガイド