これまで5回にわたってレポートをお伝えしてきた、李さん(仮名)一家の日本旅行シリーズ。心斎橋、京都、旅館、そして空港と、行く先々でトラブルに巻き込まれつつ、何とか乗り越えてきました。これまでの旅行記は、こちらからどうぞ。
【第1回】3世代でGO!中国人の日本旅行はこうして大所帯に(http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/46515)
【第2回】「心斎橋は魔界だ!」中国人が最も用心する理由とは(http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/46689)
【第3回】ここに来て伊勢丹ですか!中国人家族が京都で紛糾(http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/46937)
【第4回】顔面蒼白!中国人旅行者が旅館でピンチ(http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/47025)
【第5回】ここでスーツケース全開?いざ関空で最後の戦いに(http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/47267)
そんな波瀾万丈な旅行も日本での行程を終えて、李さん一家は中国は上海に戻ってきたところ。さて、この旅行はどのような終わり方を迎えるのでしょうか。それでは、李さんによる旅行記第6回、お楽しみください。
上海に降り立って
幾多のトラブルやドタバタを乗り越えて、無事終了した日本旅行。そして帰ってきました中国上海。溢れかえる人、独特の香り、並ばない人の混雑、大音量の話し声・・・。たった1週間ほど離れていただけなのに、なんだかとっても久しぶりに感じるのは、中国と日本のギャップがあまりにも大きいからかもしれない。そしてそんな中国に戻ってきた私はなぜか言いようのない寂しさを感じ、「ああ、これが友人が言っていた“日本喪失症候群”、いわゆる“ジャパロス”なんだ」と気づいた。
日本へ旅行し、その秩序ある社会、親切な人々、整ったサービス、高い品質の商品などを体験した後に自国に戻ると、多くの中国人がその大きな違いに寂しさを感じたり、腹立たしくなったりすることがあるという。私はたった1週間ほど日本に滞在しただけだったが、戻ってきた中国は、日本へ行く前の中国とは違う国のように見えた。
とはいえ、久しぶりの母国。イミグレーションを抜け、大量の荷物をピックアップし、少し緊張しながらの荷物チェックも終わり、中国版Uberの「嘀嘀打车」でミニバンをチャーターし、帰宅の途についた。日本へ行く前に、友人から「最近は空港の荷物チェックが厳しいから気をつけろ」とアドバイスをもらっていたが、今回は全くチェックされなかった。日によって厳しさが違うのかもしれない。