米大統領の娘イヴァンカさん、ホワイトハウス入りへ オフィス確保

米大統領の娘イヴァンカさん、ホワイトハウス入りへ オフィス確保(ホワイトハウスで開かれた記者会見に出席した時の写真、右は夫のジャレッド・クシュナー氏、2017年3月17日撮影)〔AFPBB News

反対する共和党下院議員を脅迫する大統領

 「I'm gonna come after you」(お前らを追いかけ回すぞ)

 次の選挙で「お前らを追いかけ回して、落っことしてやるからな。そう思え」という意味だった。

 発言の主はドナルド・トランプ米第40代大統領。場所は立法の府、米連邦議会議事堂、上院と下院とを分けるドーム下のロタンダ(円形広間)。数人の下院議員に向かって言ってのけた。

 選挙公約の最重要課題であるオバマケア(国民健康保険改革)廃止に伴う共和党提案に異議を申し立ててた一部下院議員に放った暴言だ。与党内から出ている反論に怒り心頭に発したのだろうが、行政府のトップが立法府の議員に向かっていうべき言葉ではない。

 大統領選の時から言いたい放題を言ってきたトランプ氏が「思ったことを腹にしまっておけない」性格なことはすでに米国民は分かっている。が、それでもこの暴言はいただけない。

FBIの否定もなんのその、「オバマは俺を盗聴していた」

 それだけではない。

 トランプ大統領が「オバマ前大統領は選挙中にトランプ選挙本部を盗聴していた」とツィートしたのは3月4日。

 米連邦捜査局(FBI)のジェームズ・コミー長官自らが議会での証言で「それを裏づける証拠は見つかっていない」と全面否定しているにもかかわらず、2週間以上その発言を取り消そうとはしていない。

 大企業目線で保守的な論調を旨とするウォール・ストリート・ジャーナルですら3月22日付け紙面で「A President's Credibility」と題する社説を掲げ、「トランプの欺瞞は国内外での大衆の信頼を失っている。事実を軽視すれば、国民はトランプを偽大統領と見なすようになる」と警告している。

 なぜ、そうまでして言いたいことをTPOをわきまえずに言い、自分の思い込んでいる「間違った事実」を頑なに堅持しようとするのか。