トランプ夫人、就任式で何を着る? 衣装提供拒むデザイナー続出で注目

ドナルド・トランプ大統領とメラニア夫人〔AFPBB News

文中敬称略

 不動産王ドナルド・トランプ(70)が第45代米大統領に就任した。ビジネスマンが大統領になるのは米史上初めて。選挙中これほど様々なスキャンダルや過激な発言をめぐってマスコミに叩かれた人物が大統領になるのも初めてだ。

 トランプとはいかなる人物か。ご本人が著した本も含めるとトランプについて書かれた本はすでに20冊余に上る。

 だがトランプがいったい何を考えているのか。どのようなヒストリーがある人物なのか。ロシアとはいかなるコネクションがあるのか。これらの疑問にストレートに答えてくれる本はこれまでなかった。

 その意味では、本書、「Trump Revealed: the Definitive Biography of the 45th President」(トランプを暴く:第45代大統領一代記決定版)は最初の1冊と言えるかもしれない。

 著者は、ウォーターゲート事件以来、調査報道では定評のあるワシントン・ポストでも腕利きの調査報道記者マイケル・クラニッシュと名うての編集者マーク・フッシャーの2人。

 トランプの大統領就任直前、満を持して世に問う正真正銘の「ドナルド・トランプ解体新書」だ。

 スコットランド人の母親の出生に始まり、トランプの青年時代、父親との関係、名門ペンシルバニア大学ウォートン校での生活、不動産業への参入、世界を股にかけた不動産ビジネス・カジノ経営・・・。

 そして大統領選出馬、予備選での勝利、共和党全国党大会での大統領候補指名に至る生き様を浮き彫りにしている。

 著者は、これまでマスコミやSNSが報道してきたトランプ情報を一つ残らず精査、そのうえでトランプ本人をはじめ彼と接触してきた関係者(ロシア人を含む)への精力的なインタビューで「裸のトランプ」に迫っている。

 ともすれば、「Post Truth」(脱現実主義)*と指摘されるトランプおよびその周辺が流す手前味噌の「偽情報」と「事実」とを見極めようとする著者のジャーナリストとしての眼は、鋭く、確かだ。

*Post Truthとは、個人の信念をエモーショナルに訴えることの方が客観的な事実関係よりも世論形成には影響力を持つ社会現象およびその内容を指す。昨年、オックスフォード英語辞典で「Word of the Year」に選ばれている。