正確には仕事が辛いというよりは、職場の上司や同僚との人間関係や、仕事を強制されるという構造だったり、あるいは満員電車といった、仕事の周辺にあるものがイヤなのかもしれません。いずれにしても、それで病気にまでなってしまうのは、それらを「自分では選べない」というストレスに端を発しているのだと私は思います。

人と同じ行動をとるから、満員電車になる

 私から見て、世の中の多くの人は、「自分で選べない」ということを選んでいるように見えます。自分で選ぶと責任が伴いますから、誰かが作ったシステムに乗って、誰かの命令に従って生きていたい。みんなと同じように満員電車に乗って、決められた時間にみんなと一緒に食事をしたい。それが安心できるからですね。

 これは「自由からの逃走」なんだと思います。人は自由に耐えられないんです。イヤだイヤだと言いながら、みんなと一緒だと責任を取らなくていいから、落ち着くんですね。「赤信号、みんなで渡れば怖くない」というわけです。それで、みんなが同じ時間に同じ行動を取るから、電車も食堂も一定の時間だけ、ハンコで押したようにいつも満員になります。

 自由で好奇心にあふれた人生を生きようと思えば、犠牲になるのはこの「安心」です。それと引き換えに、自分の頭で考える権利を取り戻す。起業というのは、そういう選択なのかなと。そんなことを満員電車の中で考えましたよ、というお話でした。

 それでは、また。人生計画で夢を目標に変えて実現する、シナジーブレインの安田修でした。

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