森上 びっくりするでしょう。じゃあ、正解を言うわよ。正解は、3000万円!
杉村 えーっ!! ウソでしょ。ごめん、ホントにびっくりしています。
森上 そうなのよ。私も最初聞いてびっくりしたから。じゃあ誰が買うのかというと、企業が接待用に買うんだって。それでハリウッドスターを呼んだり、取引先を呼んだりするらしいのよ。そしたら、テレビを見ている人が、「あ、あの人、こんなところで見ている」って、結構なご接待になるらしいのよね。企業にしてみれば、安いものらしいのよ。
杉村 なるほどね。
寒い中で立ったまま試合を見ているお客さんがかわいそう
森上 確かに、私も国内トーナメントは、もう少し選手にとっても観客にとっても魅力のある大会にできるはずだと思う。
例えばね、全日本なんかは、今でこそ11月上旬だけど、以前は11月末あたりにやっていたわけ。しかも屋外でしょ。すごく寒い中でプレーしなければならない。これでは世界のトップを目指す選手にとっては、怪我が怖くて出場したくないよね。
だったら、思い切って女子ならWTAのツアーにぶつけちゃった方がいいと思う。つまり、10月3週目が最後のトーナメントだから、その時期だったら選手も喜んで出られるよね。
杉村 10月中旬だったらそんなに寒くないよね。これは観客にとってもありがたい話ですよ。私も今年、見に行ったけど、とにかくすごく寒い。
しかもね、センターコートと1番、2番コートは観客席があるけども、その他のコートは一切ないでしょ。日本のトップクラスの試合を、観客はずっと立って見ているわけよ。即席のスタンドを用意したっていいじゃない。それで一体いくらの費用がかかるの、と言いたくなる。大会主催者側に「お客様に観戦を楽しんでいただく」という精神が欠けている気がするな。
森上 そういうことはタイゾー君が大きな声で言ってよ。
杉村 そうですね。
全日本選手権は本当に日本チャンピオンを決めているのか
森上 私は、全日本選手権をどういう大会と位置づけるか、もう少し議論してもいいと思う。一般のテニスプレーヤーには全日本に出場することを夢見て頑張っている人もたくさんいる。それはそれで、すごく大会としての意義があると思う。
でも、一方で、本当に日本選手のトップを決める大会かと言われれば、出場しない選手も多い。特に本当のトップ選手なんかは一度タイトルを取ればもういいや、って感じの人が多いのは事実。