森上 私はそう思います。私の場合は、12歳から教えてくれていたアメリカ人のコーチがいたんです。そのコーチが、私が14歳の時にアメリカに帰ることになったんです。私は一緒についていって、そのままアメリカの高校に通うことになったんですね。それで、漠然と将来はプロを目指すことを決めた。
杉村 ご両親は何もおっしゃらなかったのですか?
森上 アメリカに到着してすぐに国際電話で「こっちの高校に通うから」って言ったんです。そしたら父親は烈火のごとく反対して、「そんなの電話で話すことじゃない」って。母も「何でプロになんてなりたいの? もっと楽しい花の学生生活が待っているのに」って言って、わざわざ厳しいプロの世界に入ることなんかないって感じで、最初は2人とも大反対でした。
杉村 それでもやはりプロになりたかった?
森上 実はあまり深くは考えていなかったんですが、でも、やれるだけやってみようと。そう思って説得しました。
杉村 その時点で世界ジュニアランキングは何位だったんですか?
森上 14歳以下で世界ランキング3位でした。
杉村 はい、なるほど。
世界を目指すなら、世界に出ていって練習しないと
森上 アメリカに行ってすごく感じたことは、やはり常に世界のトップ選手と練習ができるという環境。これは非常に大きいと思います。
日本の場合は、たとえどんなに強い選手でも、インタハーイや全日本ジュニアに出場する際は、地方予選から勝ち上がらなければならない。失礼な言い方かもしれないけど、世界を目指そうと思う選手が、高校からテニスを始めました、という選手と同じ大会に出場していて、世界で勝てるわけがない。
だから、私は目指すところが重要だと思う。本当に世界で通用するトッププロを目指すならば、海外に出て常に世界のトップ選手と練習したり、試合をする必要があると思う。
杉村 森上さんは15歳からアメリカに渡られた。実際、何歳くらいまでには海外に出た方がいいと思われますか?
森上 それは本人次第ですが、私は早ければ早いほどいいと思う。やっぱり14歳から18歳の期間というのは非常に重要で、そこでいかに世界のトップ選手と肩を並べて練習できるか。これはすごく大切な点だと思います。
(つづく。後半は12月8日に掲載します)