杉村 それはすごく意外でした。私はてっきりお父様などは大阪選手権優勝とか、最低でもそのくらいのレベルの人だと勝手に想像していました。
森上 むしろ、そういう意味では母の方がすごくて、私がアジア大会で銅メダルを獲得して自宅に戻った時に、「やったー、銅メダルや!」と喜んでいたら、母が「よっしゃあ、わたし勝ったわ」って言うんです。「なに言うてんねん」って聞いたら、「だって、私、射撃でアジア大会銀メダルやもん」って言うんです。それまでまったくそんな話聞かされてなくて、「えーっ!?」って感じでした。
杉村 お母様、アジア大会で銀メダルですか。しかも射撃。すごい話を聞きました。それで、森上さんはどういうきっかけでテニスを始められたんですか。
森上 私の家族と仲良くしている家族が4家族くらいいて、冬はみんなでスキーに行ったりしてたんですね。夏のゴールデンウイークにもみんなが集まって何かできることをしようよ、っていうことになって、「親も子どもも楽しめるテニスなんかいいんじゃない?」って話になったんです。そこで、家族みんなでやってみたのが最初です。
杉村 それは何歳くらいの時?
森上 6歳か、7歳くらいだったと思うんですよね。
杉村 たまたまその時の企画が、後のウィンブルドン選手の誕生につながったわけですか?
森上 本当に偶然なんですけどね。そういうことになるんですよね。
杉村 それはすごく珍しいケースですよね。今、日本のジュニア選手のほとんどは親がテニスをしているか、または親がテニス好きでスクールに通わせているか、そんなところだと思います。
森上 そうですよね。そういう意味では、私は単に「家族みんなで楽しめるスポーツ」というところからスタートしました。それまでは水泳をしたり、バスケットをやったり、いろいろなスポーツをやっていたんです。
子供の時にいろいろなスポーツをしておいてよかった
杉村 どっぷりテニス一本に打ち込み始めたのはいつくらいからですか?
森上 小学校6年生くらいからですかね。それまではテニスは週に2回くらい。あとは水泳をやっていましたから。