話を戻します。中国人が日本を危険地帯だと誤解している点について、本当のところはどうなのか中国人の知人らに確認してみました。すると、「そういう面も確かにある」と肯定されてしまいました。

 近年は訪日旅行に行く中国人も増えて、そうした誤解は徐々に少なくなってきてはいるものの、それでもまだ日本は中国人にとって危ない場所だと考える人が根強く存在し、訪日旅行をためらう要因になっているそうです。

 以上の話は観光関係者の間ではよく知られている話ですが、日本で見聞きする中国人の爆買い関連ニュースではあまり報じられていないようです。そこで今回は、中国人の訪日旅行関連であまり報じられることのない事実や、実際に旅行した中国人の感想などについてまとめみたいと思います。

京都に「一休さん」を見出す

 先ほどの観光庁関係者への取材では、訪日旅行ルートについても話が及びました。担当者によると、中国のドラマで撮影場所に使われた北海道と、東京から箱根を経由して関西方面に至る、いわゆる「黄金ルート」が圧倒的多数を占めているとのことです。そして今後は、関西圏が高い潜在力を持っているとのことでした。

 その時の取材から数年経ちましたが、その担当者の指摘は少なからず当たっているようです。現在、中国の書店で訪日旅行関連のガイドブックを眺めていると、かつてはなかった大阪や京都を単独で取り上げたガイドブックが多数並んでいます。また、周囲の中国人に話を聞いても、関西圏だけを訪れる日本ツアーに参加したという話をこのところよく聞きます。