電気回路が作る論理回路
前回の連載「コンピューター誕生100年前に起きた革命」の中で、電気工学者にして数学者であるクロード・シャノン(1916-2001)によって、数学者ジョージ・ブール(1815-1864)のアイディア──ブール代数──が電気回路によって実現できたことが現代のコンピューターに繋がったことを紹介しました。
命題論理 ↔ ブール代数 ↔ 電気回路
真 ↔ 1 ↔ スイッチON
偽 ↔ 0 ↔ スイッチOFF
論理和∨ ↔ + ↔ OR回路
論理積∧ ↔ ・ ↔ AND回路
否定¬ ↔ | ↔ NOT回路
ポイントはスイッチを組合わせた電気回路です。シンプルな電気回路を複雑に組合せることで様々な計算(演算)ができることが明らかにされました。それが論理回路の設計です。
そこで、今回は簡単な論理回路の設計の例を紹介してみようと思います。ぜひ論理回路の設計に挑戦してみてください。取り上げるのは、みなさんの周りにたくさんある照明スイッチです。
電球、電線、電源、そしてスイッチで構成される電気回路を考えます。スイッチが1つの場合にはオンとオフの組合せしかない最も単純な回路です(図)。
(*配信先のサイトでこの記事をお読みの方はこちらで本記事の図をご覧いただけます。http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/48663)
AND回路とOR回路
スイッチを2つ使った電気回路を考えてみましょう。
2つのスイッチを直列に繋いだ回路では、2つのスイッチのどちらも(AND)オンにした場合に明かりがつき、どちらかのスイッチをオフにした場合には明かりはつきません。
それに対して2つのスイッチを並列に繋いだ回路では、どちらかの(OR)スイッチをオンにすれば明かりはつき、両方のスイッチをオフにすれば明かりはつきません。これがそれぞれAND回路、OR回路と呼ばれる基本論理回路です。