ブール、29歳の論文「論理学」
1844年、29歳の青年が発表した論文が世界を変えることになりました。100年後、その理論によって生み出されたのがコンピューターです。
計算の世界には法則が存在します。
(交換法則)
1+2=2+1
2×3=3×2
(分配法則)
2×(3+4)=(2×3)+(2×4)
(2+3)×4=(2×4)+(3×4)
さらに、特別な数0と1の存在の必要性です。
3+0=3
4×1=4
こういったお膳立て(ルール)がきちんとできたうえで不自由なくどんな数どうしの計算も行えるようになっています。
ブールが考えたことは、最小のお膳立てをすることでした。数と数字は0~9の10個ではなく0と1の2つだけ。2項演算はたし算(+)とかけ算(・)そして補元(| )と呼ばれる3つの演算を考えました。補元とは1に対して0を、0に対して1を返す計算(単項演算)のことです。
そして、この3つの演算が(交換法則)(分配法則)(0と1の存在)(補元則)というルールを満たすとします。こうして出来上がった小さい計算のお膳立てはうまく機能することが確かめられるのです。
つまり、この中で不自由なくきちんとどんな計算でもできるということです。
このような数と演算のお膳立てのことを数学で「代数系」と言います。ブールが考えたお膳立て(0と1、たし算(+)・かけ算(・)・補元(| )は「ブール代数」と呼ばれます。