嵩山少林寺の門前で焚かれているお香(写真はイメージ)。 Photo by Kevin Poh, under CC BY 2.0.

 中国に渡って15年。起業に至るまでの道のりを振り返っている。

 前回(「中国語ができないと猫柄のタオルを買わされるhttp://jbpress.ismedia.jp/articles/-/48280)は、中国に留学したきっかけから、言葉の壁の問題などを紹介した。

 しかし、留学生活におけるトラブルは、言葉の問題に限った話ではない。大学の外に出て旅をするなんて、まさにトラブルの宝庫だ。

中国各地への旅行

 留学生にも長期休みがある。休み期間中は、帰省する人(駐在員の奥さんや企業派遣のサラリーマン学生が多い)と、中国の国内旅行に出かける人(自費留学の人が多い)に分かれるが、僕は国内旅行に出かけることが多かった。

 上海に留学しているだけでは、中国全体を理解したことにはならない。そして、なんと言っても、上海では皆、普段は上海語を話しているので、普通語の実力をアップするためにも、いろいろな街へ行ってとにかく中国語を話して、聞いて、中国を理解しようというのが旅行の理由だった。

 留学中の2回の長期休みで、北京、大連、青島、ハルピン、鄭州、煙台、ウルムチ、トルファン、ホータン、洛陽、西安、成都、広州、福州、長沙、合肥、蘇州、杭州、南京、無錫、揚州、アモイなどへ行った(もっと行ったような気がするが忘れた)。

 当時は学生でお金も無いから、基本的に移動は長距離バスか鉄道。バスなら10時間、鉄道なら20時間の移動というのはざらだった。ホテルは1泊20元くらいの、個室ではない、ホテルがバックパッカーに開放している地下室が基本で、街中の移動は徒歩、あまりに距離があるときはバイクタクシーを使った。

 旅行では、語学の上達という意味では最高のシチュエーションだと思えるくらい、ありとあらゆるトラブルに見舞われた。あまりにたくさんありすぎて、ほとんどのことは忘れてしまったが、覚えているものだけでも挙げてみる。