バングラの立てこもり、犠牲者20人 全員が外国人 軍幹部

バングラデシュ・ダッカで、武装集団が立てこもっている飲食店の周囲で警戒に当たる治安部隊(2016年7月2日撮影)。(c)AFP〔AFPBB News

 バングラデシュは日本の面積の約4割程度であるが、1億6100万人(世界第8位)の人口を有し、世界で最も人口密度の高い国の1つである。1947年8月にパキスタンが独立した際にその一部(東パキスタン)として独立し、その後の1971年12月にパキスタンからバングラデシュとして独立した。

 独立後、長年にわたり軍事政権(1975~1990年)が続いたが、1990年12月、エルシャド大統領(退役陸軍中将)が、2大政党(BNP、アワミ連盟)および国民の退陣要求に応じた結果、平和裡に民主化に移行した。1991年の憲法改正で議院内閣制へと体制を変更し、それ以降、5年ごとの総選挙を経て平和裏に政権交代が続いた。

 2006年11月から約2年間は政党間対立が激化したため、非常事態宣言下で選挙管理内閣が継続したが、2008年12月の総選挙でアワミ連盟が勝利し、2009年1月からハシナ政権が続いている。

2015年に入ってから政情不安定に

 ハシナ政権は独立50年目の2021年までに中所得国になることを目標とする「ビジョン2021」政策を掲げ、全国IT化を目指す「デジタル・バングラデシュ」、イスラム教を主たる宗教としつつあらゆる宗教に寛容な世俗主義等を標榜し、各種社会・経済開発に取り組んだ。

 だが、2013年に入り、与野党間で選挙管理内閣の導入を巡り意見が対立し、さらに独立戦争戦犯(1971年の独立戦争当時、パキスタン軍によるベンガル人の虐殺行為等に協力したとされる「ジャマティ・イスラミ」の主要幹部)に対する裁判を巡り、ジャマティ・イスラミが全国で激しい抗議運動を展開している。