営業やサービスの「組織力」はどうすれば強化できるのか(写真はイメージ)

 営業強化やサービス向上の実現に組織的に取り組む企業が増えています。今回は、営業やサービスの組織力向上について、3つの段階に整理してみたいと思います。

 もちろん営業やサービスの組織力向上には様々な方向性があり、ゴールは1つではありません。しかし、営業やサービスはどうしても個人芸になりやすいため、「組織で取り組む」ことに苦戦している企業が多いようです。3つの段階を理解して、その壁を乗り越えるためのヒントにしていたければと思います。

(1)まずは失点をなくすための組織力強化から

 失点ばかりしていては、営業やサービスビジネスはうまくいきません。そこで企業がまず取り組むべきなのが、失点をなくすための活動です。

 失点してしまうのは、多くの場合「すべてのお客様に共通する事前期待」に応えられていないときです。失点をなくすためには、組織として、この「共通的な事前期待」にもれなく、ムラなく、きっちりと応える必要があります。

 その取り組みとしてよく見られるのは、全員が一定レベル以上の顧客対応ができるようになることを目指して、マニュアルやチェックリストを整備する活動です。その活動では、ルール遵守率やクレーム数などの失点指標を管理しています。そして顧客満足度調査では「不満足をいかに減らせるか」に着眼して取り組んでいます。