湖のメタンを電力源に、ルワンダでプロジェクト進行中

ルワンダのルバブでキブ湖のほとりにたたずむ漁師の子どもたち(2014年5月撮影)。(c)AFP/STEPHANIE AGLIETTI〔AFPBB News

 前回は20年前の大虐殺から「アフリカの奇跡」と呼ばれる復興を遂げたルワンダと、神戸からルワンダへ、その進出のゲートウェイになろうとしている神戸市の動きを取り上げた。

 前回の記事はこちら:「神戸が日本で一番ルワンダ人留学生を呼び寄せる理由」(http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/46887)

 今回は、ルワンダに進出する日本企業の事業について具体的に紹介する。音羽電機工業は兵庫県の尼崎に本社を置く、日本で唯一の「雷対策」を専門に行う企業だ。主力である避雷器のシェアは日本トップであり、三菱重工からMRJの耐雷試験も受託している。

 その音羽電機工業がルワンダの技術学校の雷被害を軽減するプロジェクトをスタートした。なぜルワンダなのか、そして今後どのような展開を狙うのか、同社の上席執行役員 開発営業部長 吉田 厚氏に話を聞いた。

音羽電機工業 上席執行役員 開発営業部長 吉田厚氏

実は雷大国だったルワンダ

──ルワンダで雷対策のプロジェクトを始めたきっかけを教えてください。

吉田 厚 氏(以下、敬称略):ルワンダでの事業のきっかけは、神戸情報大学院大学からルワンダ人留学生のインターンシップを受け入れたことでした。

 1~2週間のプログラムで合計3名ほど受け入れましたが、その時にインターン生から、ルワンダは雷被害が非常に多く、年間30名ほどが亡くなっていると聞きました。1億人以上の人口を持つ日本の被害者は年間数えるほどです。ルワンダの人口(1100万人)を考えると、かなり多くの方が被害にあっていることになります。

 世界的に見てもアフリカは非常に落雷が多く、アジアなどと比較しても東部から中央部のアフリカは際立って雷が多い地域です。

NASAが公表している雷の分布図。ルワンダが位置する東部~中部アフリカは黒く色分けされており、雷が非常に多いことが分かる。(photo by NASA
拡大画像表示