医療ミス、米国で死因3位 研究

仏西部アンジェにある教育病院の集中治療室〔AFPBB News

 2017年4月から新専門医制度の導入が検討されている。しかし、早くも延期が視野に入れられるなど問題が多い。

 確かに、専門医という資格は医師の能力を客観的に示す指標として便利だ。医学博士号や論文数など、研究面では指標があるものの、臨床においては他に有用な指標がないからだ。

 臨床能力のレベルにはいくつかの段階がある。国家試験では基本的な医学知識が問われる。初期研修医の間には、頻度の高い疾患や緊急性の高い疾患について初期対応を自分でできるのが目標と言えるだろう。

 その次は標準的な治療を自分でできる段階、標準を超えた高い技術・最先端の治療やその患者に合わせた治療を実践できる段階などが考えられる。さらにそれぞれに対して、どの領域に関してそれが可能かという広がりがある。

 では、標準的な治療ができるのが専門医と言えるだろうか。その場合、何を「自分で」実践できなければならないのか?

合併症の治療ができず命の危機に

 日頃お世話になっている知り合いに、がん治療中の方がいる。治療の合併症で心不全を罹患したが、治療を行っていたがん専門病院では十分な診断も治療もされず、適切な医療機関に紹介もされなかった。結局、他の知り合いの医師のつてで他院に入院して治療を受け、今は回復されている。

 このような事例が、特に内科においてジェネラルなマインドを全員にという風潮につながっているのは、理解はできるが、解決方法としては間違っている。

 というのも、どれくらいの範囲を自分でカバーできるかは、医師の能力だけでなく環境に依存するからだ。

 例えばその施設で普段から心不全の合併症をたくさん治療していれば可能だっただろうし、そうでなければ難しい。一方で、合併症ではなくがん治療に専念しているからこそ、最先端の治療がそこで受けられるという面があるかもしれない。

 社会はかなりの速度で変化している。毎年新しい薬や治療法が開発され、それまでの医学常識が覆される。私が初期研修医だった3年前の知識でさえアップデートする必要に迫られ始めている。