私は、現在進行形のがん患者です。
そして、東京大学大学院経済学研究科の松井彰彦教授の「社会的障害の経済理論・実証研究」のプロジェクトメンバーとして、長期療養者の当事者研究をさせていただいています。
「長期療養者の当事者」というのは、私が「肉腫(サルコーマ)」という希少がんに罹患してから10年が経ち、その間に、19度の手術、5度の放射線治療を経験し、そして現在、初めての抗がん剤治療を受けているからです。
ここで、がん患者の長期療養者の当事者からの意見を述べさせていただきたいと思います。
都営地下鉄駅でもらえるヘルプマーク
「そのマークはどこで手に入れることができるのですか?」
勤務先である東京大学医科学研究所の最寄りの駅に降り立った時に、初老の女性に突然後ろから声をかけられました。
「これは東京都が配布しているもので、都営地下鉄の駅務室に行けばもらえますよ」
いきなりのことに少し驚きながらも、私はそう答えました。
ここで言う「マーク」とは、赤い長方形の中に白い十字とハートマークが描かれている「ヘルプマーク」のストラップのことです。私は現在、そのストラップを通勤バッグの見えるところに付けています。