日本発祥の「ブラインドダンス」。2006年8月27日に、「第1回全日本ブラインドダンス選手権大会」の開催が決定されました。
日本テレビ系『24時間テレビ 愛は地球を救う』での放映も決まり、その準備は着々と進んでいきました。
日本中の視覚に障がいを持つダンス愛好家はもちろんのこと、ウリナリ芸能人社交ダンス部のメンバーも参加、都立八王子盲学校の生徒や先生たちも競技ダンスへの挑戦を始めました。
何もかもが順調にいっているかのように見えていた、その時・・・。
八王子盲学校の少女がブラインドダンス選手権出場をためらった理由
八王子盲学校では、前回その経緯をお伝えしたとおり、体育部キャプテンのナオ君が競技会に出場することが決まり、継続してダンスのレッスンが行なわれることになりました。
他の生徒たちも、タレントさんや盲学校の先生と組んだり、弱視の生徒同士で組んだり、次々と出場を決めていきました。
そんな中、出場をためらっていた生徒がいました。後天の全盲の美少女レナでした。
レナというのは、私が最初に八王子盲学校に電話をかけた際に、「ゴールボール(視覚障がい者のスポーツ)の世界選手権のために今ちょうどアメリカに行っているけれど、きっと興味があるはずですよ」と体育科の魚住先生がおっしゃっていた生徒のことです。
ある時レナは、恐る恐る私にこう聞いてきました。「私、やるなら真剣にやりたいんです。視覚障がい者だからこのくらいできればいいとか、そういうのは嫌なんです。ゆりえ先生、厳しく教えてくださいますか?」
な~んだ、そんなことかと、私は内心思いました。
「私はね、ここまでできればいいとか、ぜんぜん考えていないよ。これができたら、じゃあ次はもっとこういうことができるでしょ? って、いつも上へ上へと考えているよ。ビシバシ鍛えてあげるからね」
「わぁ、うれしい! だったら私、大会に出ます。そして、出るからには勝ちます!」
こうして、ウリナリ芸能人社交ダンス部部長の南原さんとレナのカップルが誕生しました。