米アマゾン・ドットコムが米国で提供している「Prime(プライム)」プログラムに、新たな料金プランを設けたことが話題になっている。
Primeビデオは月額8.99ドル
これまで、Primeの同国における料金プランは、年額99ドルの1つだけだった。だが米ニューヨーク・タイムズと米ウォールストリート・ジャーナルの報道によると、アマゾンは4月17日から新たに月額10.99ドルのプランを始めた。
併せて同社は、映画やテレビドラマが見放題になる「Primeビデオ」のみが利用できる月額プランも開始しており、こちらは1カ月8.99ドルとなる。
アマゾンはこれまでどおり年額99ドルのプランも続ける。これによりPrimeは今後合計3つの料金プランが提供されることになる(アマゾンのウェブサイト)。
いずれにしても、Primeは1年間の料金を先に一括払いする年額プランの方が割安だ。例えばプライムの月額プランを12カ月続けると、年額プランよりも32.88ドル(約25%)高くなる。
同様にPrimeビデオの月額プランを12カ月続けると、Primeの年額プランに比べ8.88ドル高くなり、しかも、2日以内の商品無料配達や即日配達、音楽の聴き放題サービス、電子書籍の無料貸し出しサービスといった特典が付かない。
単体サービスでライバルに対抗
こうして、利用者には割高な新料金プランではあるが、これには映画などのビデオストリーミング配信サービスの市場で、米ネットフリックス(Netflix)や米フールー(Hulu)などのライバルに対抗する狙いがあると、ニューヨーク・タイムズとウォールストリート・ジャーナルの記事は伝えている。
例えばニューヨーク・タイムズは、「(アマゾンの新料金プランにより)、映像ストリーミングサービスの業界で会員数が最も多いネットフリックスの料金と、アマゾンの料金を比較することが容易になり、同社は顧客に自社サービスの利点をアピールできるようになる」と伝えている。
ウォールストリート・ジャーナルによると、ネットフリックスとフールーの月額料金はともに7.99~11.99ドル。これらの料金は画質や、再生できる機器の数、広告の有無によって異なる。