米ニューヨーク・タイムズなどの海外メディアによると、インドではこのほど、電子商取引事業における外国直接投資に関する新たな規則が施行された。
これにより同国でeコマースサイトを運営する米アマゾン・ドットコムの事業は、新規制に抵触する恐れが出てきたという。
新規制、インド事業の障壁に
ニューヨーク・タイムズのほか、米Re/codeや米フォーチュンなどの報道によると、インドではアマゾンのような電子商取引サイト上で、1つの業者(出店者)あるいはその傘下の業者の売上高が、サイトの全売上高の25%を超えてはならないという新規則が設けられた。
そうした中、アマゾンのインドサイト「Amazon.in」に出店しているクラウドテール(Cloudtail)という業者は、その売上高がすでにサイト全体の40%~50%に達している可能性があると、米フォレスターリサーチのアナリストは指摘している。
ニューヨーク・タイムズによると、このクラウドテールの親会社は、インド実業界の有力者であるナラヤナ・ムルティ氏の投資会社、カタマラン・ベンチャーズ(Catamaran)と、アマゾンの合弁会社なのだという。そしてアマゾンはその株式の49%を保有している。
今回の規制はインド商工省(Ministry of Commerce and Industry)の産業政策・振興局(Department of Industrial Policy and Promotion:DIPP)が3月に発令し、即時発効した(PDF書類)。
このため、アマゾンのような電子商取引企業には事前に対策を講じる時間が一切なかったという。
この新規制により、少なくとも、これまで曖昧だった外国資本の電子商取引事業に関する同国の政策が明確になった。だが、これにすでに違反したとも見られるアマゾンのような企業に対し、今後どのような措置が取られるのか、不明な点も多いという。
当局は、直ちに違反企業を取り締まることはないと見る専門家もいるが、今回の新規制は今後のアマゾンのインド事業にとって障壁になりそうだとRe/codeは伝えている。