大量のゾンビが街に発生したら行政はどうすればいいのか? (写真はイメージ、Wikipediaより)

 米軍では、街に「ゾンビ」(死体のまま蘇った人間)が大量発生した時の作戦計画を策定しています。映画の世界の話ではありません。現実に起きた場合の対策を真剣に検討しているのです。

 荒唐無稽に思える話ですが、その背景にある発想は非常に有効性が高く、日本の危機管理演習でも応用が可能です。

 そこで筆者もゾンビが東京都中野区を襲撃したという想定で危機管理演習を実施してきました。今回はその内容を、米軍の作戦計画と共に紹介したいと思います。

なぜ、ゾンビなのか?

 米国防総省は「CONPLAN8888」という対ゾンビ作戦計画を策定しています。

 CONPLANとは米軍の軍事作戦計画書です。CONPLANには、北朝鮮の体制崩壊時の軍事介入計画の「5029」、中国による台湾侵攻時の救援計画の「5077」、差し迫った脅威に対する戦術核を含む先制攻撃計画である「8022」、北朝鮮の核施設占領計画の「8099」などが存在しています。

 CONPLAN8888は、「ゾンビが大量発生した際に米軍が全力を挙げて人類を生存させる諸計画とプロセス」について定めたものです。オカルトを真に受けたわけではありません。米軍の統合連合戦闘学校が「様々な脅威から市民を保護する」演習のために策定した本物の作戦計画です。ウェブでも原本が公開されています。