3月18日、北朝鮮は弾道ミサイル「ノドン」と思われるミサイルを2発発射した。1発は空中爆発したが、1発は800キロメートルほど飛翔して日本海に着弾した。
かねてより北朝鮮の弾道ミサイルに対して警戒を強化していた日本政府は、ノドン発射以前の3月16日に自衛隊に対して「破壊措置命令」を発し、イージス駆逐艦は日本に向かってくる弾道ミサイルに対する迎撃態勢を開始していた。
ただし、防衛省を中心とする20キロメートル圏内を防衛するPAC-3防空ミサイルシステムが配備されたのはノドン発射後であった。
弾道ミサイル防衛システムに抑止効果はあるか
北朝鮮は、今回のノドン発射に先立つ3月10日に、短距離弾道ミサイル「スカッドC」と思われる弾道ミサイル2発を、やはり日本海に打ち込んでいる。いずれの弾道ミサイル発射も、3月7日より韓国で始まった米韓合同軍事演習に対抗するデモンストレーションであることは間違いない。
ただし、スカッドCとノドンは威嚇する相手が異なるとみるべきである。最大射程距離が600キロメートルとされているスカッドCは韓国に対する威嚇と考えられる。一方、最大射程距離が1300キロメートルとみられているノドン(あるいは最大射程距離が1500キロメートルまで延長されたノドン-2)の場合は、アメリカに出撃拠点を提供している日本への威嚇と考えられる。