アルゼンチン、中国違法漁船を撃沈 警告無視し逃走・体当たり試み

アルゼンチン・プエルトマドリン沖で、同国の沿岸警備隊によって撃沈された中国漁船。沿岸警備隊ウェブサイトで公開された映像より(2016年3月15日公開)。(c)AFP/PREFECTURA NAVAL/HO〔AFPBB News

 3月14日、アルゼンチンの沿岸警備隊が中国漁船を撃沈した。アルゼンチン南部の大西洋上、同国の排他的経済水域(EEZ)内で違法操業をしていた中国漁船に、アルゼンチンの沿岸警備隊の艦艇が発砲し撃沈したという。

 自国の領海に中国船が侵入を重ねてもなんの実効措置もとらない日本とは対照的な対応である。日本人から見ると、アルゼンチンの対応は性急で強硬に映るかもしれない。だが、国際社会ではアルゼンチンの軍事力行使を非難する声はあがらなかった。逆にベトナムでは拍手や歓声が起きたほどだという。

 アルゼンチン側を支持する国際世論が多いため、中国政府もなかなか強硬な報復策をとることができないようである。米国のオバマ大統領が3月23日にアルゼンチンを公式訪問することも、中国の姿勢に微妙な影響を与えそうだ。

「ベトナムもアルゼンチンを見習うべき」

 アルゼンチン当局の3月15日の発表によると、アルゼンチン沿岸警備隊は14日、首都ブエノスアイレスの南1300キロにあるプエルトマドリン地区沖合のEEZ内で違法操業中の中国漁船を発見し、停船を求めた。だが、中国漁船はこれを無視して逃走した。沿岸警備隊が漁船を追ったところ、沿岸警備隊の艦艇に繰り返し体当たりしようとした。そのため沿岸警備隊は射撃を加え、沈没させたという。