中国の習近平政権は、米国を後退させながら勢力を拡大する対米対決戦略をとりながら表面上は穏健で協調的な対米政策をアピールするという欺瞞作戦を進めている。それに対してオバマ大統領もついに中国への批判を正面から表明するようになった──。
米国のベテラン専門家が、最近の米中関係の変質をこのように報告した。
協調路線から攻勢的外交へ転換
米国ジョージワシントン大学のロバート・サター教授は3月9日の同大学での講演で、習近平外交の現況と米中関係の変質についての見解を発表した。
サター氏は米国務省、中央情報局(CIA)、国家情報会議などの中国専門官として30年以上を過ごし、中国の対外戦略研究では米国で有数の権威とされている。
サター氏はこう総括する。中国は胡錦濤政権下の2002年から2012年までの間、「米国との実利的な協力」外交を進めていた。しかし、2013年3月に習近平氏が国家元首となって以来その外交を止めて、「アジアその他の地域で米国に挑戦する、大胆で攻勢的な外交構想」へと転換した。