3月13日、14日の朝日新聞と産経新聞に、憲法改正に関する2つの興味深い投書が掲載されていた。
13日付の朝日新聞に掲載されていたのは愛知県の83歳の男性からの投稿で、「法治国家なら憲法改正は必要」というタイトルだった。
「安倍晋三首相が憲法改正について『私の在任中に成し遂げたい』と述べるなど積極的な発言を続けている。参院選の争点になりそうだ。自民党の党是である憲法改正の大きな目的は9条を変えることだ。9条改正に私は賛成する」とある。
憲法改正に賛成する投書が朝日新聞に掲載されたことは大きな驚きである。しかも、なぜ賛成なのか、実に説得力をもって展開されているのだ。
本来は相容れない現憲法と自衛隊・日米安保
「9条2項に『陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない』とある。自衛隊は事実上の陸海空軍を擁する軍隊であり、日米安保条約も日米の軍事同盟だから違憲の疑いは濃厚だ」と指摘する。
その通りである。自衛隊を合憲としてきた内閣法制局の理屈とは、基本的に次のようなものである。日本には、主権国家として、自然権としての自衛権がある。したがって自衛のための最小限の実力組織を保持することは憲法上許される、というものだ。