2015年12月24日、共産党の志位委員長が国会の開会式に出席する方針を明らかにし、実際に2016年1月4日召集の通常国会開会式に志位委員長らが出席した。
共産党議員の開会式出席は約69年ぶりとなる。志位氏が会見で述べたところによれば、これまでなぜ開会式に出席しなかったのか、という理由について次の2点を挙げている。
第1に、開会式の形式が、「主権在君」の原則に立ち議会は立法権を握る天皇の「協賛」機関にすぎなかった、戦前の大日本帝国憲法下の「開院式」の形式をそのまま踏襲するものになっているということ。
第2に、以前の開会式では天皇の「お言葉」のなかに、米国政府や自民党政府の内外政策を賛美・肯定するなど、国政に関する政治的発言が含まれおり、これは、日本国憲法が定めている、天皇は「国政に関する権能を有しない」という制限規定に明らかに違反するものであったこと。
しかし、その後、開会式での天皇の発言に変化が見られ、この三十数年来は儀礼的・形式的なものとなっており、天皇の発言内容に憲法からの逸脱は見られなくなり、儀礼的・形式的な発言が慣例として定着したと判断できるようになったことから、今回出席する方針に転換したと説明している。