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 東京上野にある国立科学博物館で特別展「ワイン展─ぶどうから生まれた奇跡─」が開催されている。「ワイン」と聞いただけで心がときめく筆者はさっそく出かけ、主催者に話を聞いた。ワインをいろいろな面から探ることで、ワインの新たな魅力が見えてきた。

国立科学博物館の「ワイン展─ぶどうから生まれた奇跡─」。2月21日まで開催

約140年の歴史で初めての大人向け特別展

 上野駅周辺では、ワイン展のポスターが方々の街頭につるされている。ワイン展は、国立科学博物館約140年の歴史の中で初めての大人をターゲットにしたお酒の展覧会。普段は小中学生の入館が圧倒的に多い同館にとっては冒険だったらしい。たしかに、入館者の中には「ワインなのに科学博物館? 場所を間違えていないかと家族に言われた」という声があった。

 ワイン展は、2012年に開催し、大好評だったチョコレート展に続く食品をテーマにした特別展だ。ワイン展を企画した同館植物研究部部長の岩科司さんは、「山梨県出身で子どもの頃からぶどうもワインもとても身近でした。2012年にチョコレート展を開催したときから、次はワインだと決めて構想を練ってきたんです」と話す。

「身近なワインを通して、サイエンスのおもしろさを感じてほしいと企画しました。それだけでなく、長い歴史のあるワインは文化的にもとても面白いので、ワインの歴史や楽しみ方など幅広い分野を取り上げました」

 また、共催する読売新聞の事業開発部の奥田香菜さんらも企画に加わり、女性向けに趣向をこらした。普段は科学博物館から遠ざかりがちな、若い女性や主婦層にも来てほしいという思いからだ。

「ワインを五感で感じてもらえるよう、ワインボトルからグラスへワインを注ぐ音も再現しました。ブドウのクイズやブドウ踏み体験など、親子で楽しめるものもありますよ」と奥田さんは話す。

ポリフェノールはブドウが身を守るための物質

 展示は3つに分かれている。ゾーン1「ワイナリーに行ってみよう」では、まるでワイナリーにいるような雰囲気の中でブドウやブドウ栽培、ワインづくりを紹介している。