1月30日のテレビ東京の番組「週刊ニュース新書」に、野田佳彦前首相が久しぶりにテレビ出演をしていた。いつものように落ち着いた表情で、さまざまな質問に的確に回答していた。
野田前首相は健在なり
キャスターの田勢康弘氏から消費税の10%への引き上げの是非について問われると、「経済が今のままなら上げるべきだ」「(経済は)まだプラス成長だ。消費税を上げられるかは国際社会もマーケットも見ている」と指摘。「関連法をつくったのは私の政権だが、実施時期を延ばしたのは安倍政権。できなかった場合は経済政策の失敗を問われないといけない」と実にきっぱりと答えていた。田勢氏には、せっかくなら軽減税率についてどう考えているのか聞いてもらいたかったが、この番組のゆるさからはこんなものだろう。
私は、民主党政権三代の首相の中で唯一首相としての存在感を示したのは、野田氏であったと常々述べてきた。野田氏のことを「民主党を政権から転落させた張本人」などと近視眼的に批判する声もあるが、これは八つ当たり以外の何ものでもない。民主党を政権から転落させたのは、前2人の首相と民主党議員そのものである。
野田氏が政権を引き継いだ時には、国民の民主党への支持率は急落し、事実上、民主党政権は死に体だったと言っても良い状態であった。だからこそ、当時、渡部恒三民主党最高顧問は「民主党最後の内閣」と公言していたのである。