中国と言えば、世界の石炭発電量の約3分の1を占める世界最大の石炭発電国であり*19、2006年の中国における総発電キャパシティ66万2000MWの約80%に当たる48万4000MWが石炭発電で占められ*20、2006年だけで9万MWを超える新規石炭発電所が建設された*21石炭大国かつ世界最大CO2排出国です。
クリーンエネルギー全体でも僅差で米国に次ぐ2位
これが多くの読者の方々が理解されている、中国の実情ではないでしょうか?
この認識は正しいのですが、実は、それは中国の一面でしかありません。彼らは近年クリーンエネルギーを急速にかつ積極的に導入しているのです。
2009年時点で、中国の風力発電、太陽光発電、バイオマス発電、小規模水力発電などを含むリニューアブル発電の規模は5万2500MWまで成長し、何と米国の5万3400MWに次いで僅差の第2位となっているのです(図28)。
中国は、グリーンの一面も構築しつつあるのです。

つまり、中国は、国際協業モデルによって成長を果たしたクリーンエネルギー製品の海外マーケットへの輸出と、自国内のクリーンエネルギー市場の創造による内需拡大の両輪で、世界のクリーンエネルギービジネスでの存在感を急速に高めてきたのです。
*19= Existing US Coal Plants, SourceWatch
*20= Capacity of China's Straw Fueled Power Plant Reaches 1.2 million KW, People's Daily Online
*21= Coal and Climate Change Facts, Pew Center on Global Climate Change