「離婚したい!」――韓国第3位の財閥であるSKグループの会長が、メディアにこんな「告白」の手紙を送った。夫人は元大統領の長女。産業界、証券市場で大騒ぎになっている。

 2015年12月29日、韓国の「世界日報」の1面にびっくりする記事が載った。

 「赦免以降、旺盛に対外活動をしている崔泰源(チェ・テウォン=1960年生)SKグループ会長が衝撃的な告白をした」

 「夫人である蘆素英(ノ・ソヨン=1961年生)アートセンター′ナビ’館長との結婚生活を続けることが難しいと公式的に明らかにした。他の女性との間に子供がいることも告白し、許しを求めた。(中略)崔泰源会長は12月28日、こうした内容の手紙を『世界日報』に送ってきた」

韓国紙に送った手紙

 同紙は、A4用紙3枚にわたる崔泰源会長からの手紙の全文を掲載したのだ。

 「企業人、崔泰源ではなく、自由人、崔泰源が恥ずかしい告白をしようと思います」。こういう書き出しで手紙は始まる。

 内容をかいつまんで要約すると、こうだ。

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 崔泰源会長の結婚生活は事実上破綻しており、かなり前から別居している。夫婦ともに結婚生活の維持が難しいことで合意し、いろいろな協議をしているときに別の女性と出会い、子供をもうけた。結婚生活にけじめをつけることが先であるべきことは分かっていた。夫人である蘆素英館長に対しては、できることはすべてする。結婚生活を早く整理し、すべてのエネルギーを顧客、株主、協力会社、さらに韓国経済のために使いたい。

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 勝手な言い分と言ってしまえばそれだけだが、いったいどうしてこんな手紙を新聞社に送ったのか。それだけ心労が重なっていたのかもしれないが、誰もが仰天する手紙だった。

財閥御曹司と大統領の娘

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大騒ぎの渦中にある崔泰源会長は、韓国で3位の財閥であるSKグループの総帥〔AFPBB News

 崔泰源会長は、韓国で3位の財閥であるSKグループの総帥だ。韓国を代表する経済人がこんな手紙を書いたことだけでもびっくりだが、夫人の蘆素英館長もただの主婦ではない。

 現在は美術館の館長だが、実は盧泰愚(ノ・テウ=1932年生)元大統領の長女なのだ。

 財閥総帥と元大統領の娘。こんなカップルの離婚騒動だから、さらに韓国では大きな話題になった。

 崔泰源会長は、「鮮京グループ」という名称だった企業グループ(1998年にSKグループに名称を変更)を韓国を代表する財閥に育て上げた崔鍾賢(チェ・ジョンヒョン)元会長の長男だ。