中国、スマホ監視で「トロイの木馬」導入へ 予算300万円と国営紙

北京、朝の通勤時間の地下鉄車内で携帯電話を使う人々〔AFPBB News

 中国の通信機器メーカー、ファーウェイ(華為技術)によると、スマートフォンを手がける同社の消費者向け事業部門は、2015年における売上高が200億米ドルを超え、前の年に比べ約70%増加したという。

中国や欧州で高いシェア

 また2015年に同社が出荷したスマートフォンの台数は1億800万台となり、こちらは同44%増加したという。同社は中国のスマートフォン市場でシェア1位を維持したほか、欧州などの世界市場でも高いシェアを獲得しており、これらが業績に寄与したという。

 この話題について報じた米ウォールストリート・ジャーナルの記事によると、ファーウェイは株式非公開企業であるため、四半期ごとの業績詳細は開示しておらず、通常は毎年4月頃に出す年次報告書で財務データを公表している。

 だが、ファーウェイで消費者向け事業部門を統括するリチャード・ユー氏は社員に宛てた年頭の書簡で、これらのデータを公表した。

 さらに、6日に米国ラスベガスで開催される家電見本市「CES 2016」に合わせ、業績に関するプレス発表を行った。

「生き残る数少ないメーカーの1社」

 ウォールストリート・ジャーナルによると、ユー氏は社員宛ての書簡で、「大半の携帯電話メーカーは熾烈な市場競争に直面し、今後3~5年で消えていくだろう」とし、「ファーウェイの消費者向け事業はその競争に生き残る2~3社のメーカーの1つになる」などと述べた。

 同氏によると、ファーウェイによって中国は最も成長速度が速い市場。だが、同社の売上高は欧州、中南米、中東でも急速に伸びた。またファーウェイは昨年、高価格帯端末の販売に注力しており、これらの製品が売上高の上昇に寄与したという。