中国懸念で世界同時株安、米NYは一時1000ドル超急落

米ニューヨーク市場で、株価を表示したモニターを見つめるトレーダー(2015年8月24日撮影)。(c)AFP/DON EMMERT〔AFPBB News

 中国株ショックから約1カ月が経過し、市場は多少落ち着きを取り戻しつつある。だが、今後の株式市場がどう推移するのか予断を許さない状況が続いており、楽観論と悲観論が入り交じった状態にある。

 今回の株価下落は、中国経済の減速に端を発しているが、世界全体を見渡した場合、経済の牽引役となっているのは米国である。日本の輸出産業の多くが米国市場に依存しているだけでなく、中国向け輸出の一定の割合が、最終製品として米国に再輸出されているからである。最終的な世界経済の動向を決めるのは、中国ではなく米国であり、今後の日本株の動きも、やはり米国株次第ということになる。

 今回の米国株の調整は果たして一時的なものにとどまるのか、過去の米国株の急落とそこからの反転を振り返り、今回の局面との比較を行った。

世界恐慌前は空前の上昇相場だった

 歴史的に見て、米国の株価は堅調であり、百数十年の間で大暴落といってよい局面は世界恐慌リーマン・ショックの2つしかない。もう少し規模の小さい下落ということになると、1970年代のスタグフレーションにおける株価下落、87年のブラックマンデー、2000年のITバブル崩壊といった例がある。まずは最大の株価下落であった世界恐慌とリーマン・ショック時の値動きについて検証してみる。