『マッドマックス 怒りのデス・ロード』『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』『ターミネーター:新起動/ジェニシス』。そして、8月初めから『ジュラシック・ワールド』『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』。
人気シリーズ最新作が続々公開されている。シリーズ作は、魅力を維持することが難しい。「前作」の出来が良ければなおさらである。
しかし、30年ぶりの第4弾となった「MAD MAX」復活作は、批評家にも観客にもすこぶる評判が良い。
「世界は崩壊し、皆おかしくなった。俺と他の奴ら、よりクレイジーなのはどちらだろう・・・。」
主人公マックス・ロカタンスキーの冒頭のこのモノローグが、映画の世界観を語る。
基本はスタントで迫力満点
核戦争で文明は崩壊、秩序は失われ、弱肉強食となった世界では暴力が蔓延している。資源は枯渇し、貴重品となった燃料や飲料水、そして食糧を、要塞の独裁者が暴力と恐怖で握っている。
話は単純。水と燃料、そして女性、という「生」をもたらす存在をめぐり、ただひたすら車で走り、戦う。CGも使ってはいるが、ハイテンションで疾走感あふれるアクションの基本はスタント。ぜい肉をそぎ落とし、血の通ったアクションの魅力は絶大だ。
今回、マックス役はメル・ギブソンからトム・ハーディへと移ったが、全作通し監督するジョージ・ミラーは70歳。そのバイタリティに頭が下がる。
第1作『マッドマックス』(1979)は、「今から数年後」を舞台とした低予算暴走族ムービーだった。そこで描かれた暴走族に妻子や親友を殺される警官マックスの姿は、最新作に至るまでその人物背景となっている。
シンプルだが、圧倒的スピード感で大ヒット、製作費が一桁増えた第2作『マッドマックス2』(1981)では、舞台は文明崩壊後の荒野となった。そしてトラウマを抱え愛犬と愛車で荒地を彷徨うマックスは、バイカーギャングに襲われる人々を助けるヒーローとなる。