中国経済が迷走している。経済成長率は下げ止まらず、IMF(国際通貨基金)の推計では、2015年の実質GDP伸び率は、政府が掲げる7%の成長目標を下回り、6.8%になると見られている。実態はそれ以上に深刻であろう。
多くの研究者が指摘しているように、中国では労働力の供給が減少に転じているため、経済成長の減速は決して驚くべきことではない。ただし、労働力は一気に減少しているわけではない。目下の景気減速の一番の原因は需要不足にある。
投資も消費も輸出も、いずれも振るわない。主要産業は多くの過剰設備を抱えており、新規投資は減少している。また消費は、GDPへの寄与度で見ると少しずつ拡大しているが、依然として50%に達することはなく、経済成長のけん引役として不十分である。さらに輸出は大きく落ち込んではいないが、拡大もしていない。
20年以上前から内需振興を宣言してきたが・・・
いつの時代も、デフレは需要不足によってもたらされる。今の中国経済も同じ問題に直面している。20年以上も前から中国政府は内需振興を宣言してきたが、いまだに投資と輸出に依存する経済体質が続いている。