ロシア、欧米の食品を禁輸 航空便の上空通過禁止も示唆

ロシアの産業復活に自信を深めるドミトリー・メドベージェフ首相〔AFPBB News

 これまで、食料品を例に取り、西側の制裁とそれに対応するロシアの自主輸入規制により、ロシアに輸入される西側先進国からの食料品が確実に減っていることをリポートしてきた。

 そして、それまでは輸入品の補完商品としての位置づけにあった国産品が主役に躍り出て、大規模に消費者に提供されるようになった。

 これは輸入品一辺倒だったロシア経済にとって好ましい変化であり、ロシアはまさにピンチをチャンスに変えて世直しに取り組んでいる、というを報告した(「ピンチをチャンスに変えるプーチン大統領」)。

 その続編として、今回は機械の分野、特に西側制裁により対露輸出が禁止されている先端技術を多く含む工作機械の分野におけるロシアの対応とロシア経済における変化をリポートしてみたい。

 2015年5月25日から1週間、モスクワ・エキスポセンター展示場で、ソ連時代から開かれている伝統ある工作機械の祭典「国際金属加工展2015」が開催された。

ロシア企業の参加が急増

5月に開催された金属加工展(モスクワ)会場での台湾特設ブース。今年は台湾勢の積極的な展示が目立ち、常時、台湾メーカーによる技術セミナーが開催されていた

 今年、この展示会に参加した企業は32カ国、1200社を数えた。国単位での展示スペースであるナショナル・ブースを設営した国は、ベラルス、中国、チェコ、フランス、ドイツ、スロバキア、スペイン、スイス、台湾の9カ国。

 このロシアにおける最大にして、最古の展示会で、今年は非常に大きな変化が生じていた。

1.参加企業が昨年の1036社から、1200社と大幅に増えた。その理由はロシア企業の参加が500社を超える増加を示したため。

2.ロシアディーラーの実機展示に対し、海外メーカーの実機展示はかなり減少した。この結果、参加企業の増加にもかかわらず、展示会場スペースは、昨年の4万141m2から3万8000m2に減少した。

3.会場は、全期間を通して大変な混雑ぶりだった。主催者の発表によれば、今年の入場者は昨年の2万9000人から3割増加した。また、昨年まではガラガラだった国内企業が出展する第2、3パビリオンに客が集中していた。

 上記の事実を基に、経済制裁との関係を考えてみる。