台湾の嘉儀空軍基地にて。後ろの建物は旧日本軍によって建てられ、まだ使われている(筆者撮影)

 5月下旬、アメリカ空軍の出張で台湾を訪れた。

 日本人にとって台湾は地理的にも文化的にも身近であり、観光や文化交流を見ても、日台関係の発展が今後も止むことはないだろう。しかし、政治的に見ると日本と台湾の間に正式な国交がない。

 事実、日本と台湾の軍事面での関係は基本的にほぼ全て水面下で行われている。従って一般人が知ることもほとんどない。その台湾に、米軍の仕事で出張するというのは貴重な機会であった。

 本稿の字数内で台湾が直面する環境を表現することは難しい。しかし今回の訪台で感じたことは、台湾を取り巻く環境は複雑であり、我々は今後も、より深く注目し続けることが必要であるということだ。