彼らの多くに共通しているのが、松坂選手が精神的な支えになっていること。松坂選手が第一線で頑張っているからこそ、自分たちもそれぞれの道で負けられない、という思いです。

 この原稿を書いている時点で、松坂投手はまだ登板しておりません。彼らのためにも、いや日本のプロ野球ファンのためにも、ぜひとも復活した怪物の姿を見せてもらいたいものです。

黒田選手の言葉の重みは別格

 ところで、アメリカ帰りの投手として、松坂選手以上に大きな話題を集めているのがご存知、広島カープの黒田博樹投手。古巣のヤンキースをはじめ、メジャーの数球団からのオファーを蹴っての広島復帰は、「男気」という言葉を一躍定着させることになりました。よく考えたら、年俸20億円の現役バリバリのメジャーリーガーが、日本にやって来るようなものです。この先、なかなかありえない話でしょう。

『決めて断つ ぶれないために大切なこと』(黒田博樹著、KKベストセラーズ、888円、税込)

 その黒田選手の著作が、『決めて断つ ぶれないために大切なこと』(KKベストセラーズ)。

 本書は、2012年に発行したものに、広島復帰を踏まえてプロローグと最後の章を加え、文庫化したものです。

 プロ野球選手の著書は数多く出版されていますが、本書での黒田選手の言葉の重みは別格です。某ハードボイルド小説に、「探偵は職業ではない。生き方だ。」という有名なセリフがありますが、黒田選手については、「プロ野球の投手は職業ではない。生き方だ。」というセリフが当てはまるほど、強い信念を持ってマウンドに立っていることがヒシヒシと伝わってきます。