皆様、はじめまして。盛岡の駅ビル「フェザン」にあるさわや書店でコミック売り場を担当している武蔵と申します。小さいころからコミック好き、コミックを売るために書店に入社したようなものです。とはいえ、コミックに関しても書籍に関してもまだまだ勉強中の身であります。未熟者ではありますが、このコラムを通じて新しい本とのお手伝いができれば幸いです。よろしくお願いします。

コメディタッチで描いたミケランジェロの生涯

 さて、面白い漫画を発見するのに今や欠かせないツールの1つがインターネットです。インターネット空間にはたくさんの“神”が存在しています。「神曲」「神対応」などなど・・・。いつの頃からか、優れた物事や、人物のことをインターネット空間では「神」と呼んで讃えているようです。

 ところで今から約450年ほど前、ルネッサンス期のヨーロッパにも「神」のごときと讃えられる人物がいました。「ピエタ」「最後の審判」などを生みだした巨匠、ミケランジェロ・ブオナローティです。

『神のごときミケランジェロさん』(みのる著、秋田書店、648円、税込)

 今回ご紹介する1冊目は、コミック『神のごときミケランジェロさん』(みのる著、秋田書店)です。

 美術の教科書でも、歴史の教科書でもおなじみのルネッサンス三大巨匠の1人のミケランジェロさん。美術の教科書で初めて「ピエタ」を見た時、これは本当に石でできた造形物なのかと驚いたことを覚えています。インターネット風にいえば「服の襞(ひだ)が神!」と言ったところでしょうか。

 本書は、そんな神のごときミケランジェロの生涯を描いた作品です。ミケランジェロの生い立ちから、宿命のライバルであるレオナルド・ダ・ヴィンチとの関わり、数々の名作を生みだした際のエピソードなどがコメディタッチで描かれています。