「卑劣な殺人」、米大統領がネムツォフ氏射殺を非難

野党指導者ボリス・ネムツォフ氏の遺体が入れられた袋が置かれたロシア・モスクワ中心部のボリショイ・モスクボレツキー橋〔AFPBB News

 日本が参加すべきかどうかで話題となっているアジアインフラ投資銀行(AIIB)に、ロシアは3月30日に参加申請をして4月14日に加入し、創設メンバーの一員となった。

 ウクライナ危機勃発の後のロシアと中国の「蜜月」関係から見ると、3月31日という締め切りを前にして3月30日というタイミングは納得のいく早さではなく、むしろ逡巡した挙げ句に渋々参加を決定したのではないかと考えられるものである。

 そこで本稿では、このタイミングでの参加が決まったのはなぜか、背景を探ることにしよう。

 周知の通り、ウクライナ危機の発生後、西側諸国と厳しく対立し外交的に窮地に陥っているロシアは、西側諸国とは距離を置く中国をいろいろな形で頼みとしている節がある。

 典型的なのは、ロシア産のエネルギー資源を中国市場に安定的に供給することを確約し、それによりエネルギー資源の欧州部での販路が断たれても、ロシア経済が生き残っていけるようにしたことであろうか。

クリミアの独立を承認していない中国

 供給の条件は中国に著しく有利なものとなったとも言われており、ロシアの中国頼みは明らかである。しかしながら、中国の側はウクライナ問題で、ロシアの立場に理解を示しこそすれ、これを積極的に支持すると言うことはこれまで一度もなかった。

 さらに言えば、クリミアの独立、並びにロシアへの併合を公式に承認していない。ウクライナとの関係、さらにその後ろ盾となっている欧米との関係を意識しつつ、外交的な解決を促すといった形で中立の立場を堅持しているのが実態だ。

 ロシア・中国関係はどちらかと言えば、ロシアの片思いという傾向が強いという印象だ。