西暦の末尾に5のつく年は、世界的に重要な現代史上の出来事を振り返る「歴史戦」の年となると言われる。今年2015年はまさにその節目の年である。
我が国にとって最も重要なのは、先の戦争の終結から70年を迎えることであり、日本政府の対応にも内外の注目が集まっている。
アウシュビッツ強制収容所解放から70年で・・・
そんななか、早速本年1月に2つの記念行事があった。1つ目は1月27日、ポーランドで行われたアウシュビッツ強制収容所の解放記念日で、これは1945年に旧ソ連軍に同収容所が解放されてから70年となる節目であった。
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は2010年の65周年記念の追悼記念日には参加したものの、今回はポーランドからの招聘がなかったという理由で追悼式典に参加しなかった。
ウクライナ東部戦線の悪化を理由に対ロシア経済制裁の強化を模索しているEUの大統領がポーランド人だからと言うわけではなかろうが(歴史的にポーランドとロシアは不仲で有名だ)、ポーランドのシヘティナ外務大臣が式典に先駆けて「同強制収容所の解放に最初に到着したのはウクライナ人であった」とわざわざ述べて、これにロシア外務省が激しく反発するなど、早くも現代の国際政治の舞台における敵と味方の線引き傾向が一段と強まっているように思えてならない。
そして2つ目は1月26日のインドの共和国記念日で、1950年にインドの憲法が発布された日から数えて65年という節目であった。この共和国記念日には初めて現職の米大統領であるバラク・オバマ氏が参加して注目を浴びた。
インドのモディ首相は就任以来、活発な外交を繰り広げており、去る2014年9月末には国連総会での演説を機に訪米し、その際オバマ大統領とも会談している。